トマトの病気・尻腐れ病の症状と原因、対策 |
このページでは、トマトやミニトマトの果実がだめになってしまうトマトの病気、尻腐れ病の症状と原因、対策についてご紹介しています。当サイトのすべてのページは、本文下の総合ページリンクからご覧頂けます。 |
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トマトの病気・尻腐れ病の症状と原因・対策 |
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尻腐れ病とは?”尻腐れ病”は、野菜や果物の果実のお尻の部分(厳密に言えばトップ=果実の先端部分)が黒くなって腐ってしまう症状のことをいいます。(下の参考写真は、尻腐れ病が発生したトマトの果実です) ”尻腐れ病”は、病原菌などによるトマトやミニトマトなどの株の病気ではなく、主に石灰(カルシウム)不足が原因の生理障害ですので、尻腐れ病が発生したからといって、必ずしもトマトやミニトマトの株自体がだめになってしまうというわけではありません。 トマトの病気・尻腐れ病の原因トマトやミニトマトの尻腐れ病の主な原因である石灰(カルシウム)不足には、様々なケースが考えられますが、その主な理由には以下のようなものがあります。 1.トマトやミニトマトの苗を植えつける際に、苦土石灰(カルシウム)が施されていないトマトやミニトマトの苗を植えつける際には、当サイトのトマトの育て方・土づくりのページで詳しくご紹介しているように、あらかじめ土づくりの段階で用土に苦土石灰(カルシウム)を混ぜて、用土を中和させておくことが大切です。 苦土石灰(カルシウム)を施すことで、用土はトマトやミニトマトの生育に適した酸性度(Ph)に中和されるとともに、苗の生育に欠かせないカルシウムが用土に補給されることになります。 (ただし、プランターやコンテナを使った家庭菜園で、野菜用の培養土などを新しく買ってきて使う場合は、ほとんどの培養土に苦土石灰がすでに配合されていますので、あらためて苦土石灰を施す必要はありません) この植え付け前の土作りの段階で苦土石灰(カルシウム)を施していない場合、土にカルシウムがほとんど無いわけですから、トマトやミニトマトは、生育に必要なカルシウムが足りなくなり果実にも障害が現れます。そのひとつが尻腐れ病です。 2.追肥にチッ素成分が多すぎたトマトやミニトマトの苗を植えつける際の土づくりに苦土石灰(カルシウム)を施して、その後の生長に合わせてカルシウムを含む追肥も適切に与えているにもかかわらず尻腐れ病が発生する場合は、追肥に含まれるチッ素成分が多すぎる可能性があります。 チッ素成分はトマトやミニトマトの生長にとって欠かせない要素のひとつですが、多く与えすぎるとトマトやミニトマトの根のカルシウムの吸収を妨げてしまい、その結果としてカルシウム不足に陥って尻腐れ病を発症します。 もしチッ素成分過多による尻腐れ病であれば、過剰なチッ素成分によってトマトやミニトマトの葉や茎(枝)が異常に繁茂するという特徴的な生育異常が現れているはずですので、見分けることも可能です。 この場合、チッ素成分を抑え、追肥としてカルシウムを施せば、すでに尻腐れ病を発症した果実は元には戻りませんが、尻腐れ病の発症を抑えることができる場合があります。 3.水を与えすぎた、もしくは土を乾燥させすぎたトマトやミニトマトを育てている土にカルシウムが十分に含まれていて、なおかつ追肥のチッ素成分もカルシウムも適量であるにもかかわらず、尻腐れ病が発生する場合は、潅水(かんすい=水遣り)に問題があるかもしれません。 トマトはもともと南米ペルーを中心としたアンデス山脈の高原地帯を原産とする野菜です。そして、アンデスの高原地帯は、日本のように豊富な水量に恵まれた土地ではありません。 トマトはそうした水の少ない土地でも生きていけるように進化してきた植物です。それは日本という環境に合わせて品種改良された品種でも、基本的にはほとんど変わりません。 トマトやミニトマトは、基本的にやや乾燥気味に育てることですくすく育ち、甘みと酸味のバランスの良いおいしい果実を作ります。土がカラカラになるまで水を与えないのは困りますが、水を与えすぎていないか、あるいは土を乾燥させすぎていないか見直してみると症状が改善する可能性があります。 トマトの病気・尻腐れ病の対策尻腐れ病が発症して腐ってしまったトマトやミニトマトの果実はもう元には戻りませんが、トマトやミニトマトの株自体に問題があるわけではありませんので、必要な対策を施して効果が現れれば、ちゃんとおいしいトマトが実るようになります。 でも、そのためにはちょっとしたコツが必要です。それをここでご紹介してみましょう。 尻腐れ病の原因のところでもすでにお話しましたが、尻腐れ病は多くの場合、土に含まれるカルシウム不足が原因となって発症します。そこで尻腐れ病の具体的な対策として、先ほどご紹介したカルシウム不足の原因となる3つの要因を踏まえた上で、まずカルシウムを多く含んだ追肥を行ってしばらく様子を見てみましょう。 追肥として与えるカルシウムには、主に土に施すタイプと、葉面に散布するタイプがあります。 土に施すタイプとしてよく知られているのが”苦土石灰(くどせっかい)”ですね。そして葉面に散布するタイプでは、各メーカーからいくつか出ていますが、ダーウィンが良く知られています。ダーウィンは、石膏(せっこう=硫酸カルシウム)を原料とした、即効性の葉面や果物への散布用カルシウム肥料です。 どちらもカルシウムの補給という点では効果的ですが、苦土石灰は土に浸透してから根に吸収されるまでに時間がかかることや、カルシウムの補給と同時に土の酸性度(Ph)が変化してしまうという側面があります。 そのため、発症してしまった尻腐れ病を早急に抑止するための対策として考えるなら、即効性のある葉面や果実に直接散布できるダーウィンのような散布用カルシウム肥料を試してみたほうがいいかもしれません。 尻腐れ病を予防する方法とコツ最後に、尻腐れ病を予防する方法とコツについてご紹介しておきましょう。 すでにご紹介したように、尻腐れ病の主な原因はカルシウムの不足ですから、苗の植え付けの段階から適切なカルシウムの補給が尻腐れ病に最も効果的な予防法ということになります。 ところが、土に施したカルシウムは、根から吸収されたあと、トマトやミニトマトの株の様々な部分で必要に応じて消費されますので、必ずしも施したカルシウムのすべてが尻腐れ病の予防や抑止のためだけに使われるわけではありません。 そこで、施したカルシウムが、おいしい果実を作るために優先的に使われるようにする、とっておきの方法を試してみましょう。方法はとても簡単です。 「トマトやミニトマトの花、もしくは蕾(つぼみ)の反対側にある葉を一枚切り落とす」 作業はたったこれだけです。ご存知のように、トマトやミニトマトの果実は、必ず花の後にできるわけですから、そのすぐ近くにある葉を切り落とせば、本来切り落とされた葉で消費されるはずだったカルシウムは、黙っていてもやがて果実となる花や蕾へ多く届くことになりますね。 この方法は、花の後にちいさな果実ができ始めてからでも有効ですので、方法としては地味ですが尻腐れ病の予防と対策としてぜひお試しください。 ちなみに、葉を切り落とすときには、切り口から細菌などの原因菌が侵入しないように、切れ味の良い清潔なカッターやかみそりなどを使って、風のない晴れた日の午前中に作業を行ってくださいね。 |
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